はじめに
2016/04/01、Microsoftで「Build 2016」が開催されました。
https://build.microsoft.com/
そのBuild2016で、僕が以前から携わっている「Officeアドイン」についても大きな発表がありました!
おすすめの動画はこれらです。
https://channel9.msdn.com/Events/Build/2016/P554
https://channel9.msdn.com/Events/Build/2016/P561
Officeアドインの大幅な機能拡充により、今後利用ユーザー、開発ユーザーともに増えていくことが予想されます!(増えてほしいです)
しかし、Officeアドインの内容をまとめた記事や情報、そしてアプリそのものもかなり少なく。
興味を持った方が利用、もしくは開発しようにも、断念しかねないというのが現状です。
そこで今回は、Officeアドインのついての概要と、Officeアドインのメリット、そして現在抱えている課題とその解決策を、連載としてまとめていこうと思います。
連載第1回は、「そもそもOfficeアドインとは何か」、そして「Officeアドインのメリット」についてまとめていきます。
Officeアドインとは?
「Office アドイン(Office Add-ins、Office用アプリ、office.js)」は、「Microsoft Office 2013(以下Office)」以降で動作する、Officeの機能を拡張するWebアプリケーションです。
Office上で各アプリが起動し、ドキュメントと連携して情報をやり取りしたり、種類によってはメールを送信する等を行うことも出来ます。
Officeアドインには何個か種類があります。例えば、
Officeの右側でアプリが起動する「作業ウインドウ」形式。Word・Excel・PowerPoint等で動作します。
Excel上のシート右側でアプリが起動する「コンテンツ」形式。 Excelで動作します。
Outlookでアプリが起動する「メール」形式。見た目上は「作業ウインドウ」形式と変わりませんが、内部構造は若干異なります。
また、Outlookでは上記の画像のように、メールの本文上でアプリを開くことも出来ます。
このように、Office上でアプリを動作させることが出来るのが「Officeアドイン」の特徴です。
Officeアドインのメリット
Officeアドインを使用することによって、どのようなメリットがあるか?
独自の見解になりますが、これから解説していきます。
一般ユーザー向けと、開発者向けの2つのアプローチから解説します。
【一般ユーザー向け】アプリケーションをWeb上から簡単に導入できる
従来のOffice系プログラミングであるVBA・VSTOで、プログラムを追加したい場合、通常はWebブラウザを別途起動して、ファイルをダウンロード→実行、ということが多いと思います。
(他に方法あるかもしれませんが・・・あまり詳しくないです笑)
管理は大変ですし、ファイルごとにプログラムを実行しようと思ったらけっこう面倒です。
ですがOfficeアドインの場合、Office上のリボンにある「Officeアドイン」ボタンを押下することで、Officeストアからアプリを入手する事ができます
非常に手軽ですし、ボタンひとつで複数のファイルにアプリを挿入する事ができます。
「手軽さ」「誰でも実行できる」これは本当に便利です!
【一般ユーザー向け】Office365でも使用可能
Microsoftのクラウドサービスとして、『Office365』というものがあります。
Microsoftが全面に打ち出している(らしい)このOffice365では、「Word Web Apps」や「Excel Web Apps」など、ブラウザ上でOfficeが起動できるのですが、
このOffice365でも、アプリが起動できます!
クライアント版のOfficeを持っていない人でもアプリを実行できるので、アプリの敷居は低いと言えるでしょう。
【開発者向け】Webアプリケーションなので、HTML・CSS・Javascriptなど、汎用的な技術をそのまま流用できる
それまでのOffice系プログラミングであるVBA・VSTO等では、けっこうとっつきにくい開発言語や、言語が限定されていました。
VBAでは「Visual Basic for Applications」という比較的昔の言語、「VSTO」は「Visual Studio Tools for Office」という、限定された言語での開発となってしまいます。
しかし、Officeアドインは「office.js」というJavaScriptファイルを使用したWebアプリケーションです。Webアプリケーションなので、ナウでモダンでメジャーな言語・技術をいっぱい使用できます!
PHP、C#、RoR、node.js、Python、GO・・・ Typescript、coffeescript、Jquery・・・
情報が無数にある技術を使用できるので、非常に手軽に開発することができます!
Officeアドイン最高!!・・・と言いたいけれど
以上が、Officeアドインのメリットになります。
こうして書くと、すごく優秀なOfficeのパートナーになりそうですね!
これだけ優れてならば、きっとアプリが超充実!技術界隈も大盛り上がり!!
・・・となっている、そう思う方もいるかもしれませんが、
現実は、そう甘くはありません。
冒頭にも書いたのですが、このOfficeアドイン界隈は、 残念ながら2016年現在、そこまで栄えているとは言えない現状にあります。
「Microsoft」の「Office」という強力な2大双璧を持ちながら、なぜこのような現状なのか?
次回は、「Officeアドインの抱える欠点とは」ということをテーマとして、記事を書いていきたいと思います。
コメントを残す